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アウトライン
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         修士論文発表
  「流体構造数値解析による
      曳航パイプのVIVに関する研究」
  • 東京大学大学院 工学系研究科
  • 環境海洋工学専攻 修士課程2年
  • 36266  手島 智博
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発表の構成
  • 背景と目的
  • 実験
  • 数値計算法
  • 実験パイプのシミュレーション
  • 結論


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発表の構成
  • 背景と目的
  • 実験
  • 数値計算法
  • 実験パイプのシミュレーション
  • 結論
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背景
CO2海洋中層隔離法
  • 大気中の二酸化炭素削減のための二酸化炭素海洋隔離
  • moving-ship方式
  • 水深2,000m以上の海中にCO2を溶解
  • 希釈、拡散するためパイプを曳航
  • 曳航パイプの特徴
  •   ・flexible joint
  •   ・傾斜円柱
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背景
パイプの曳航とVIV
  •   曳航時に生じるカルマン渦に励起されてVortex-Induced Vibration (VIV)が発生
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背景
曳航パイプの固有振動数
  • 固有モードの波長が数十メートル
  • 固有振動数が近い
  • 時間発展的シミュレーションが必要
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背景
既往の研究
  • モード解析では時間や場所により振動数が変化する現象を再現できない
  • CFDとFEMの連成は3,000mのパイプには非現実的
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研究の目的
  • 以下の特徴をもつ曳航パイプのVIV挙動の数値シミュレーション手法を開発する
  •   ・時間発展的
  •   ・VIVに関係のある振動を精度よく取り出す
  •   ・3,000mパイプへ応用可能
  • 検証用実験
  • 開発した新手法による実験と同条件のシミュレーション
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発表の構成
  • 背景と目的
  • 実験
  • 数値計算法
  • 実験パイプのシミュレーション
  • 結論


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実験
実験の概要
  • 水槽にてパイプを曳航してVIVを撮影
  • パイプ
  •   長さ:2.35m
  •   外径:0.06m
  •   内径:0.051m
  •   材質:塩化ビニル
  • 傾斜を抑えるため内部におもり
  • 曳航速度:2.5m/s(Re=1.5×105)
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実験
実験装置:パイプ支持部
  • y軸まわりは回転可能、それ以外の自由度は固定
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実験
実験装置:おもり
  • パイプとの接触面積が狭い
  • おもりの間にメタルビーズ
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実験
実験装置:流線型カバー
  • 造波による気泡生成の抑制のため
  • 曳航中の傾斜角度は46度に
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実験
変位計測結果
  • キャリブレーションと画像解析から変位を算出
  • 下端から0.5m付近に節
  •  ⇒2次モード
  • 2次モードの振動数は4.4Hz
  • 2次モードのほかに低い振動数の揺れ
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発表の構成
  • 背景と目的
  • 実験
  • 数値計算法
  • 実験パイプのシミュレーション
  • 結論


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数値計算法
VIVシミュレーション概要
  •  CFD計算による流体力データベース作成
  •     ↓
  •  時間発展的FEM計算
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数値計算法
CFD計算
  • 支配方程式: Navier-Stokes、連続の式
  • Finite-volume method (FVM)
  • MAC法
  • コロケート格子にRhie-Chow法を適用
  • 空間差分
  •   対流項:3次上流 その他:2次中心
  • 時間差分:2次精度のCrank-Nicholson法
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数値計算法
CFD計算格子
  • 円柱軸方向の格子数は2(準3D)
  • 傾斜円柱を考慮(楕円柱2Dとは異なる)
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数値計算法
強制加振のCFD
  • 振動の式


  • 加速度と同位相成分(慣性力)


  • 速度と同位相成分(起振・減衰力)


  • FSをデータベース化


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数値計算法
VIVシミュレーション概要
  •  各time stepの振動状態を推定し、その振幅、振動数、位相に応じた流体力を与える
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背景
振動状態の推定(既往の研究)
  • Dalheim(2001):線状はりのFEM計算で時間発展的シミュレーション
  • 瞬時の変位、速度、加速度と前のステップのωpを用いて現在の振幅、振動数を推定
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数値計算法
振動状態の推定フィルタ
  • FEMの各要素がどの振動数に支配されているか過去のy座標の時間変化から推定
  • 振動数を変えてsin、cos及び時間に重みをつける指数関数をかける






  • ⇒VIVとして支配的な振動数とその振幅、位相を求める
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背景
振動推定の精度
  •  振動数、振幅、位相とも精度よく求めることができる
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数値計算法
節の取り扱い
  • 振幅が小さい節で特異な流体力の値を選択することを防ぐ
  • 上方2つのnodeにおける振動数から補正
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数値計算法
時間発展的FEM
  • 幾何学的非線形性を考慮した梁要素による3次元有限要素法
  • 運動方程式の直接時間積分
  • ニューマークβ法
  • 繰り返し計算にニュートン法
  • 要素の体積変化と密度変化を無視
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発表の構成
  • 背景と目的
  • 実験
  • 数値計算法
  • 実験パイプのシミュレーション
  • 結論


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実験パイプのシミュレーション
計算結果
  • 初期入力は8.3Hzだが最終的に4.5Hzで振動
  • 実験におけるVIVより低波数の振動は出現しなかった
  • 2次モードで振動し実験と一致
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実験パイプのシミュレーション
シミュレーションの精度
  • 低波数がなくなった
  • パイプ下端の2次モードの振幅
  • 実験:6.0×10-3m   計算:9.3×10-2m
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実験パイプのシミュレーション
振幅の誤差の考察
  • 実験精度による誤差
  •  支持部影響、おもりによる減衰力として臨界減衰力を加え、流線型カバーの影響として上方の抗力係数を30倍に
  •  ⇒ 計算の振幅: 4.2×10-2m
  •    実験の振幅: 6.0×10-3m
  • 計算による誤差
  •  ・シミュレーションではエネルギーが一つの振動数に集中
  •  ・CFDの流体力の精度
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数値計算法
乱流のカルマン渦
  •  2次元平面のCFD計算と3次元領域のCFD計算で流体力の様子が異なる
  • 渦の3次元性
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発表の構成
  • 背景と目的
  • 数値計算法
  • 実験
  • 実験パイプのシミュレーション
  • 結論


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結論
  • 以下の特徴をもつ計算手法を開発した
  •  ・流体力にデータベースを用いることで長さ3,000mにおよぶパイプのVIVを計算できる
  •  ・構造計算に時間発展的FEM計算を用いることで、時間、場所により異なる振動数で振動するパイプのVIVを計算できる
  • CFDにより流体力のデータベースを作成した
  • 変位の時系列の応答からVIVに関係のある振動だけを精度よく取り出すことができるフィルタを開発した
  • その結果VIVの振動数、位相を精度よく求めることができる
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今後の課題
  • 再検証実験
  • CO2海洋中層隔離法の3,000mのパイプではさらに高Reynolds数
  • 3次元のCFD計算を用いて流体力の精度を高める


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背景
数値シミュレーション
  • パイプを曳航する船は未建造
  •  →数値シミュレーションが設計に情報提供
  • 3,000mにおよぶパイプを曳航する実験は将来行われる予定
  •  →実験の予測・計画に利用できる
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実験パイプのシミュレーション
パイプ支持部の剛性のモデル化
  • 根元に1つやわらかい要素
  • 2次モードの固有振動数
  • モデル無:4.9Hz
  • モデル有:4.5Hz
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実験パイプのシミュレーション
計算条件
  • 振動数判定範囲:3.8<f < 8.3Hz
  • 初期流体力(t <6.7秒)
  •  固定円柱のカルマン渦による流体力
  •  振動数を時間と線形に変化
  • 振動数補正はt >8.0秒
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数値計算法
流体力の決定
  • 推定した振動数、振幅における起振・減衰力FSを求める
  • VIVによる力はデータベースから


  • その他の力は減衰
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実験パイプのシミュレーション
振動推定の精度
  • 安定時のパイプ速度とVIV振動の速度


  •  がほぼ一致
  • ⇒振動数、振幅、位相とも精度よく推定
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背景
計算コンセプト
  • VIVにおいて流体力は振動に依存する
  • 振動状態が決まれば流体力が決まる
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新規性
  • 対象の新規性
  •   ・flexible joint
  •   ・傾斜円柱
  • 手法の新規性
  •   ・時間発展的解析におけるVIVを起こす振動数の推定法