QICSプロジェクトqics project
QICSプロジェクトHP和訳抜粋
1. QICSプロジェクト概要
1-1.
QICSプロジェクトとは
1-2.
プロジェクト概要
1-3. プロジェクトの目的と最終目標
2. 科学的概要
2-1.
CO2の貯留層から海底または地表への移動(ワークパッケージ1)
2-2.
CO2漏出の影響予測及びモデリング(ワークパッケージ2)
2-3.
CO2漏出による海洋地球化学サイクルへの影響(ワークパッケージ3)
2-4.
CO2による海洋生態系に対する影響(ワークパッケージ4)
2-5.
CO2漏出のモニタリング(ワークパッケージ5)
2-6.
海底のCO2流動の予測・緩和(ワークパッケージ6)
3.
CO2漏出実験
4.
国際共同研究
1-3. プロジェクトの目的と最終目標
QICS研究プロジェクトはなぜ必要?
温暖化ガスの排出を削減する手法の研究は非常に重要な分野であり、この分野の知識を増やすことは喫緊の課題となっています。二酸化炭素回収貯留(CCS)はそのような手法のひとつであり、取り組みが国際的に注目されています。そして本プロジェクトは、CCSシステムからの漏出が環境に及ぼす可能性がある影響の理解を大幅に深めることができると考えられます。
最終目標は?
本プロジェクトの主な目的は、すぐに応用可能で、かつ計画中のCCSプロジェクトに関心を持つ政策決定者、計画立案者、公共団体、及び一般の方々が完全に理解できるような情報を確実に収集することです。
具体的には、以下のような情報を提供します。
・CCSの生態学的リスク評価のための情報
・CCSにより生じる可能性がある生態学的影響を最小限にとどめるための手引き
・様々な仮説に基づく漏出シナリオを評価できるモデル
・漏出の検知とモニタリングのためのガイドライン
・プロジェクトの調査結果を明確に説明し、要約する報告書とウェブサイト
これらを提供するために、私達はCO2を排出する事業者(製造業者、発電所など)、政策決定者、管理組織、環境関連団体などの利害関係者と密接に連携しています。
科学的な目的は?
CCSシステムからの漏出の影響を理解することは、非常に複雑な科学的課題であり、地質学、化学、生物学、そしてCO2の移動・拡散に関する物理学など、多くの分野を含んでいます。
本プロジェクトでは、主に以下の3つを科学的な目的としています。
・地下深部の貯留層から海底、そして大気に至るまでの異なる環境において、CO2
がどのような挙動及び移動をするのかを立証すること
・海底の浅部堆積層と海水中におけるCO2の漏出による生物地球化学的及び生
態学的な影響を評価すること
・漏出の早期検知とモニタリングの手法を確立すること
本研究は他のCCS研究(過去、現在進行中と立案中のものを含む)と完全に調和することで、(プロジェクトの資金提供元である)自然環境調査局と英国の納税者にとっての科学的成果を最大限にします。
プロジェクトの構成
プロジェクトの目的を達成するため、複数の個別目標を立てています。以下に示すそれぞれの目標について、ワークパッケージまたはアクティビティを設定しました。
・利用しやすく、理解しやすい一連のツールや報告書、手引きを作成するために
最善の研究を実施していることを保証するため、利害関係者と連携すること
・ワークパッケージ1において、代表的な北海の条件で生じ得る地下貯留層から海洋生態系へのCO2の漏出の兆候を特定すること
・浅部堆積層と水柱に適用できる既存の物理的、生物地球化学的、そして生態学的モデルを統合すること。このモデルの開発により、ワークパッケージ2において、CCSシステムからの漏出の「足跡」と影響を予測する手法を作ることが可能となります。
・ワークパッケージ3において、海底の堆積層と海水の化学環境に対するCO2放出による影響を定量化すること
・ワークパッケージ4において、CO2の漏出による海底の生態系への影響を特定すること
・ワークパッケージ5において、漏出のモニタリング技術と手法を評価すること
・ワークパッケージ6において、様々な漏出シナリオの影響を評価し、リスク評価計画と緩和戦略を考案すること